愛宕社は、火災から人民を守る神様であり、山区の各郷には、京都の愛宕神社の分神をお
祭りする愛宕社が1社ずつある。
これは、昔(年代不詳)2月7日に上山村が大火に見舞われ、20数軒が焼けてしまった。「山
村焼けんぼセンチ(厠)まで焼けたおかのイマキ(下着)で顔拭いた」童歌として当時嘲笑された。
再びこのよう な事が起こらないよう各郷に、愛宕社が祭られたものと言われている。その後、
鎮火御守として2月7日を「代参日待ち」と定め、代参者を伊勢神宮、多賀大社、愛宕神社に送
った。当日、代参者は朝早く家を発ち、昼前には「日待ち」で待つ区民のもとへ帰って鎮火御守
を施した。また夜は山村神社で「総こもり」をしたといわれており、少し形を変えて今も続いてい
る。
なお、愛宕社は、上村は山区南前地先にあり、堂村は山区堂山の小高い丘にあり、下村は
山区菅谷の小高い山の上にある。下村の愛宕
社は、石段を三十段程上ると300平米ほどの
平地があり、一角に他所信者の寄進によるこも
り堂が建っており、今もその寄進札が掛けられ
ている。さらに石段を三十段ほど上ると愛宕社の
社殿が建っている。
祭礼は7月23日(近年は、最も近い土・日曜
日)に、区民がお参りして夕方から納涼祭が行
われる。 |
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