(1) 山区の河川状況
河川は、一級河川である「思い川」が、国
道307号線沿い及び近江鉄道沿線の岡
山城跡(城思い川山)を源として、水口町
松尾地先から、当集落の中央を東西に流
れ、伴中山、下山、湖南市岩根を経て、野
洲川に合流している。また、普通河川であ
る「小野川」が赤禿山を源に小野谷を流れ
田引地先で思い川に合流している。
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(2) 思い川に架かる主な橋
城ケ峰橋(平成4年11月竣工)
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天神橋(昭和45年頃新設) (旧用津場橋) |
城之橋(平成元年6月竣工)
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(3) 河川改修前後
改修以前の「思い川」及び「小野川」は、洗濯洗剤や農薬の使用もなく、住宅団地や工場の進
出もなく、水は美しく魚や蛙、どじょうが沢山生息していた。
昭和20年代初期には、子どもたちは夏になると「思い川」でフンドシやパンツで水浴びに興じて
いた。
魚釣りや小野川では「カイドリ」と言う、川の水を堰き止め魚を手で掴みバケツに一杯にして帰
るなど子どもの遊びの一つであり、川土手が崩れるとよく大人に叱られ、大人とのイタチごっこ
であった。
大雨が降ると、「思い川」が氾濫し、田引から西村まで大平の田
地一面が水浸しになることが
よくあった。以前「城の橋」は今より 20m程東にあり2m位低かった。橋から西村までの道路が
水没し、
危険で人が通行困難となり、夜間に消防団が出て長いロープを渡し通行人を誘導し
たこともあった。
小野谷も大平と一面続きとなり中川宅の屋敷が水面の中で島となり、10組の中道も小野谷と
大平と水面で続き、田引の山・松尾線も水没する状態であった。谷出の住民が山村神社から夕
方帰れなく、小野川上流の奥谷の水かさの低い地点で向かいの山へ渡り山道を南下して家へ
着いたこともあったと聞いている。
昭和38年着工から51年竣工の河川改修で山区の水の危険や被害も解消された。その結果、
区内の水が一気に下流に流れ湖南市岩根地先では再三水没があり、河川改修は川下から実
施するものと苦情が出たものである。
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