は じ め に

   私たちの「ふるさと」は、古琵琶湖層が侵食を受けた解析谷と呼ばれる甲賀市特有の地
    形の北端地域に位置し、古くから水田耕作を中心にして開けた農村として、長い歴史を重
    ねて来ました。
      また、蒲生郡(現東近江市)との分水嶺に位置
することもあり、田首川・坊谷川の左右に多
    くの溜池を配置して永らく水の確保に努めながら今日に至っています。
      このような春日での昔からの人々の営みは、今日の
急激な時代の流れの中で忘れ去ら
    れ消えていくことも少なくなくなって来ました。
      古くからの人力や手作業の暮らしは、昭和30年(1995)頃から機械
化や電化生活など
    によって、大きく変化を遂げて来ました。そして、それまでの村の様子
や人々の暮らしは、
    現在でなければ伝えていけないのではないかと思われる状況となって来ました。
    この様な
ことから、まちづくりの一環として、また、平成16年(2004)10月、旧甲賀郡7
  町のうち5町(水口町・土山町・甲賀町・
甲賀町・甲南町・信楽町)が、平成の大合併で新生
  「甲賀市」が誕生したことを記念して、伴谷地区ではそれぞれ「
区の歴史」をまとめ後世に
  伝えることになり、ここに「ふるさと春日」の編纂に取り掛かりました。
編纂委員のメンバー
  は常任の3人とその年の区三役・公民館主事でスタートしたものの、伴谷地区文化祭への
  出展作品作りや、伴谷公民館が編纂された「伴谷の歴史」の内容や当春日
との関係につ
  いての話題に時間を費やしてしまいました。
    他の区が順次編纂を終わられたとのことを聞き、平成19年(2007)度に入りようやく“当
     区としてはどの様な内容(目次建て)に
するのか”の検討に入り、構想や目次的なものは出
    
来ましたが、それに沿っての資料集めについては、家の建て替えなどが進み、昔のことを語
     る資料が大変少なくなってしまったのが現状です。

       頼みとしていた公民館に保存の古い資料は、焼却処分されているものが多く、また保存さ
     れている資料も保存状態が悪く(湿気がひどく一枚の紙の様にくっついていて)、内容が全く
     確認出来ないものが多くあった等、全体的に資料不足から十分な内容とならず、今一歩で
     あり残念な思いです。
      
このような中で、とりあえず分かる範囲でまとめることとし、ここに何とか編纂を終えること
     が出来ました。本誌が、春日発展の一助となり、エネルギーとなればと考えています。
                              
                                                     
平成21年(2009)3月  編纂委員一同